田舎十割蕎麦 / くろむぎ


とても細い路地の住宅街の一画に店があった。この地区はまるで迷路のよう。店内はアンティークな家具が配置され壁には水墨画が。テーブルからはたくさんの綺麗な緑が配置された中庭を眺める事ができる。ジャズが流れる落ち着いた雰囲気の店内は、そば茶を飲みながら蕎麦を待つ間にも心が癒される。


田舎の大盛りができるか尋ねると「田舎は大盛りはなく二枚になるので二八と食べ比べてみては?」と促され、田舎十割蕎麦と二八蕎麦を注文。秩父産の田舎蕎麦は殻入りの粗挽きで、十割らしからぬコシとモチッとした食感で風味が楽しい美味しい蕎麦。運んできた時奥さまが「薬味の辛味大根を蕎麦の上にまぶして食べるとよい」と教えてくれた。素直にその通りに食すと本当に美味しい。ワサビの風味も大好きだが、辛味大根が蕎麦の甘味を引き立て少々感動した。北海道産の二八は細切りされた蕎麦にコシがあり、ほのかに淡い香りが口に広がる。有りそうで無い、清々しく、上品で、美味しい蕎麦。不思議と辛口のつゆが甘く感じる。カウンター隅に置かれた蕎麦を打っている人形が、厨房の中に居る店主と驚くほどソックリなのは一見の価値あり。


そば処 くろむぎ
埼玉県さいたま市見沼区島町1112-4

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